インタビュー

『M&A業界とIFA業界のシナジー』

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IFAを知ったのはいつ頃でしたか?

IFAのことは10年前ぐらいから知っていました。 自分自身が資産運用をしていたこともあって、海外ではIFAが主流であることは知っていましたが、当時日本におけるIFAのマーケットはまだまだ小さく、怪しい話や詐欺なども多い状況でした。 自分自身も金融詐欺に引っかかったこともあり、直接自分で調べて運用した方が良いと思っていたので、IFAに運用を依頼することはなかったです。 自分の周りで会社を売却して、シンガポールに移住して、クレディ・スイスなどの海外のPBに任せている方もいましたが、クレディ・スイスも結局は株屋の印象しかなかったので、自分で直接運用していました。

最近になってIFAに再び注目したのはなぜですか?

ある会社から、IFAの企業を買いたいとう依頼があったのがきっかけでした。改めて、日本のIFAと米国とIFAを分析したところ、日本ではまだまだIFAに関する情報が不足している一方で、運用ニーズの伸びしろは非常に大きいことから、今後日本のIFAマーケットは拡大する可能性が高いと感じました。その後、数社のIFA企業と面談して、1件のM&A仲介を手掛けました。やはり、IFA業界は情報の非対称性があり、より一層伸びる業界だと確信しました。一方で、IFAは属人性が高く、お客さんが担当者に紐づくので、M&Aで売却する際の評価が難しいと思いました。 M&Aに関してはどう取り組んでいくかは今後も考えていく必要があります。

本業であるM&A事業とIFAのシナジーについてはどうお考えですか?

大いにあると思います。 グループ会社に会計事務所があるので、会社を売却したオーナー様の資産管理はしていました。 しかし、できることはUBSなどのPBへの紹介などの入口の業務しかできていない状況で、大きなお金が動いていくの指を加えてを眺めていました。 IFAとの提携、はたまた子会社にIFA企業を持つなど、グループシナジーはすごくあると思います。 また、M&A仲介は差別化ができていないところが多いですが、ソーシングの際に売却後のアフターサービスまでできると説明ができれば、一つの差別化のポイントになると思っています。

御社がIFA事業に参入すること自体はないのですか?

弊社が参入することはマストだと思っています。 課題は取り組み方、誰がやるかですね。 M&Aコンサル自体も完全に軌道には乗っていない中、IFA事業に優秀な人を連れてくると、個性が強い人だとイニシアチブを取られる可能性があります。 幸いなことに毎月エグジットはしていて、オーナー様とは 密な関係作りをしています。 関係値を強固にしつつ、提携なのか、窓口なのか、弊社がIFAをやるのか考えていきたいと思っています。 提携に関しても、売却価格が数億~数十億円のオーナー様が多いので、PB出身の方のIFAなど、ポートフォリオがマッチするIFAとの提携が必要だと思っております。

参入する際の障壁は如何でしょうか?

社歴は障壁になると思っています。 会計事務所は渋谷で15年目になりますが、M&Aコンサルティングの社歴は浅いので、優秀な経験を持ったバンカーを採用しないと難しいと思います。 弊社のM&Aの内訳は若い経営者と年配の経営者の半分半分で、業界は飲食、美容、IT、製造業が多いです。 若い経営者、年配の経営者にどう思ってもらえるのかという点は非常に重要だと思うので、キャリアを積んだ優秀なバンカーでないと厳しいと思っています。

IFA業界の展望についてどのように考えですか?

若い方への金融リテラシーの向上を目指す取り組みをIFAがやるといいと思います。 すでに取り組まれている企業様もいらっしゃいますが数社に留まっているのが現状です。 この取り組みがゆくゆくはIFA業界の市場拡大につながると考えます。 旗振り役を担う企業が出てくることが必要だと思っています。 非常にポテンシャルを秘めた業界である一方、情報が少なすぎるので、ベールに包まれてしまっています。 情報発信をより活発にしていく必要がありますね。 Focus IFAのようなメディアの存在も重要だと思います。

経歴

株式会社M&Aコンサルティング
土橋 裕太様

株式会社ゼイヴェルへ入社(のちの株式会社ブランディング)し、
girlswalker.comの初代プロデューサーを務める。
その後、株式会社Style1の代表取締役として起業され、
CGM型育児支援サイト「ママスタジアム」を株式会社インタースペースに事業売却。
現在は株式会社M&Aコンサルティング取締役会長として、
事業承継やM&A、企業価値を高める経営コンサルティング、企業投資をメインに活動。