アイザワ証券が見据えるIFA業界の未来と彼らの取り組み
2024年11月に開催された、IFAカンファレンス(アイザワ証券に金融商品仲介業登録をしている法人の代表者が参加)にてアイザワ証券のIFAビジネスの現状や、今後のビジネス拡大に向けた取り組みを発表しました。
IFAに参入をお考えの方はもちろん、証券会社等でIFA事業を担当されている方も必見の内容となっておりますのでご紹介致します。
①IFAビジネス開始の背景とは?
昨今では、資産運用に関する日本国民の意欲が高まってきている状況で相対するお客様の志向性や要望にも変化が生まれています。これまでは、余剰資金で目先の収益を得るために株式売買等を行うことが多かったお客様も、資産形成層を中心に長期運用による老後の生活資金形成ニーズが高まってきています。同時にアイザワ証券もブローカレッジ営業から脱却し、ストック営業に特化する必要があると考えています。このような時代の流れに沿ったビジネスモデルを作るべくFA(リテール営業)と並ぶコアビジネスとしてIFAビジネスを再スタートいたしました。新しい投資家が増えている中で、対面型証券会社に運用を任せる方もいらっしゃれば、ネット証券を選ぶ人も見受けられます。しかし、ネット証券を使っていながらも金融リテラシ―が高まっていないことが原因となり、思うように運用を行えてない方も散見されている状況です。アイザワ証券はこのような方々にこそ、独立した立場でお客様に長期スタンスで資産運用をアドバイスするIFAを利用していただきたいと考えており、IFAビジネスの拡大は急務であると考えています。
②アイザワ証券のIFAビジネスの現状
アイザワ証券は2004年のIFAビジネス開始時から参入しており、当初は18社(主に証券系:証券会社出身者からなる金融商品仲介業者)の提携にてスタートしました。2021年にはIFAビジネスを拡大する目的で「IFAビジネス本部」を社内で立上げ再スタートを切りました。現在の仲介業者様は登録中も併せると約208社、登録IFAの人数は1549名にまで増員をしております。直近の金融商品中仲介業者の内訳は、保険代理店業からの参入が多くなり現在全体の約65%を占めています。その他士業、不動産、FP、流通といった異業界からの参入も始まっており、IFA市場は拡大傾向にあると見込んでいます。IFAビジネスを展開するに当たって、提携先IFAの方々から求められているのは「ビジネスパートナーとしてのサポートの手厚さ」であり、対面証券会社としてこのニーズを満たすべく、IFAへのサポート体制No.1を目指し、現在も組織、システム等の強化を続けております。
また同時進行で地域金融機関との連携も進んでおり、銀行や信金、信組、地域証券会社との連携も展開しています。
③具体的なIFAビジネスの取り組み
現在はIFAビジネスに初めて参入される保険系IFA(主に保険代理店に在籍されている方々)の方々の新規のご支援(財務局への登録から登録後の活動サポートを行っております。
保険募集人の方々は、お客様のライフプランをもとに、商品の提案を行うことを得意とされていて、アイザワ証券の目指す「ゴールベースアプローチ」との親和性も高く、現在の保険販売の活動と資産運用の提案を組み合わせることにより、「顧客へ最善の利益の提供」を実践頂いております。弊社が保険系IFAの方にお勧めしている投資手法は「投資信託を用いた定時定額積み立て投資」です。これは、相場を語るのではなく投資の「仕組」をお客様にご提供することにより、株価が目先の乱高下でもドルコスト平均を活かして、安心して保有を続けることができる投資手法です。さらには、「長期・積立・分散」を実践する事でリスク軽減の効果も見込めますので、相場を読む力やポートフォリオを組むような知識に自信がないIFAでも、お客様への提案が可能となります。
また、IFAの皆様からのお問合せへ迅速に対応すべくサポート体制を構築しております。使い勝手の良いIFA専用システムをご提供していますので安心してビジネスを展開出来ます。近年、金融庁からもコンプライアンス遵守強化が呼びかけられていますが、総合証券会社のバックグラウンド、対面証券会社ならではの利点を活かし「顧客本位の業務運営」「顧客への最善の利益の提供」を踏まえ強固なコンプライアンス対応を構築しています。
④保険募集人がIFAに参入するメリット
保険募集人がIFAに参入するメリットは、大きく2点あります。
1点目は「お客様満足度の向上」です。資産形成ニーズが高まっている今日において、お客様からNISAやiDeCo等を通じて将来に向けての「資産運用」のご相談を受けるケースが増加しています。このような状況において、「保険商品と投資金融商品」を比較推奨販売する事で「顧客本位の業務運営」が実践でき、同時にニーズを満たすことがお客様からの信頼獲得に繋がり、本業である保険ビジネスの新規顧客の紹介や獲得を得る事になると考えます。
2点目は「保険営業からの脱却」です。保険の報酬体系の多くは、いわゆる「L字型」と言われ新規契約を追い続けなければいけない状況です。人口減少が目に見えている日本において、今後はかなり厳しい時代を迎えていることが容易に想定できます。このような背景から、保険代理店の数は減少傾向にあります。そこでIFAビジネスに参入することによって既存顧客へ「保険商品と投資金融商品のクロスセル」を実現し、投資信託を販売することで得られる収益には販売手数料の他に「逆L字型と言われる信託報酬」も継続的に得る事が可能になります。投資信託の残高に応じた逆L字型の信託報酬をコツコツと積み上げていくことで、将来的に保険の手数料とは別に安定的な(信託)報酬を収益ベースとして得る事が見込めます。
アイザワ証券は商品のご提供だけでなく、「本業の保険ビジネスにIFAをどう活用すれば保険ビジネスへの拡大に繋がるのか」の「ノウハウ」や「仕組」をご提供します。
⑤今後の成長に向けて
今後は、「コンプライアンス体制の強化」「利便性の高いIFA専門システムの構築」「IFAビジネス本部体制の再構築」以上3点の強化を行いIFAへのサポート体制No.1を目指していきます。
「コンプライアンス体制の強化」では、お客様だけでなくIFAの皆様を守るために直接・間接的に管理し見守って参ります。IFAの方々が「顧客本位の業務運営を行いつつ顧客への最善の利益の提供」が遂行できる体制をアイザワ本社のコンプライアンス本部と連携して構築致します。
次に「利便性の高いIFA専門システムの構築」では、独自の新システムを導入する予定で、これまで以上にIFAビジネスが円滑に展開出来る様になります。
最後に「IFAビジネス本部体制の再構築」ですが、アイザワ証券として登録前(準備中)、登録後のIFAの方々をサポートする万全の態勢を整えるべく、証券会社以外の多様な業種から新しい人材の採用を積極的に行っています。「IFA担当者のビジネスパートナーとしての育成」や「人材の最適な配置」等、組織として最大限にパフォーマンスを発揮できる組織を作り上げることに取り組んでいます。IFAビジネスにおいてアイザワ証券は「黒子」であり、メインブランドは「IFAの皆さま」と考えています。アイザワ証券は、IFAの皆様の活動を支え続け、いつの間にかIFAの皆さまが顧客や地域から頼られる存在となる。このような姿になっていただけるよう、これからご支援して参ります。
また、2024年末にJR九州グループと金融商品仲介ビジネスにおいて業務委託契約を締結いたしました。グループ従業員の皆さまと、そのご家族、お取引先、地域住民の皆様にJR九州グループを通じて資産形成をご提案していき、より多くの方にIFAサービスを届けられるよう尽力いたします。