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コラム

欧米で浸透しているフィーベース型IFAの実態

INDEX目次

今回はSMBC日興証券で活躍された後にIFA事業会社を創業された株式会社Fan 代表取締役社長 尾口 紘一様と銀行から楽天証券に転籍されIFA事業者を支援されている 金丸様にお伺いした、IFAの報酬形態である「コミッションベース型」と「フィーベース型」の違いについてお伝えいたします。

コミッションベース型とフィーベース型の違い

コミッションベース型とは、売買の取引単位に手数料をいただく報酬体系です。営業するうえでのポイントは、儲かる銘柄の選択といかにお客様に購入してもらうかということになります。日本のIFAではコミッションベース型が9割以上となっております。しかし、マーケットの変動による影響による影響が大きく、相場が下落しているタイミングでは利益相反になる可能性もあります。
一方、フィーベース型は、お客様の預り資産残高に連動して報酬をいただく体系です。お客様の目的(ゴール)を達成させるために様々な提案を行い、お客様の預かり資産が増えるほどIFAの報酬が増えていくため、お客様とwin-winの関係になれることが特徴的です。

販売商品の違いは?

コミッションベース型では、個別株、個別債権、投資信託、ETF、仕組債、保険など証券会社で売り買いがされているものを提案しています。
一方、フィーベース型では、SMA、UMA、ファンドラップ、外務員ラップなどのマネージドアカウント(ラップ)や、ファイナンシャル・プランニング、年金や生命保険などのフィーベース保険などであり、個別の単一の商品ではなくて、最終的にどういう運用していくのかというゴールに向けて様々な商品を組み合わせて提案しています。

コミッションベース型とフィーベース型それぞれの価値

コミッションベース型では、情報力や分析力をベースにお客様が儲かる良い商品を見つけて提案することがお客様にとっての価値になります。短期的に売買を繰り返すことでお客様の手数料が上がり、営業目線になりがちな部分も少なからずあります。
フィーベース型では、お客様の目的に合わせた資産運用を継続的に行っていくため、短期的な成果は見えづらい反面、取引を継続することでお客様に納得していただくことが価値になります。

米国のIFA事情

米国ではIFAと呼ばず、コミッションベース型に近いIBD、フィーベース型に近いRIAに分かれております。それぞれの報酬の内訳についてですが、実はIBDとはいえ、収入の半分以上がフィーベース型になっています。では、RIAの方はというと、こちらも実はフィーベースが100%というわけではなく、収入の7~10%がコミッションベース型となっているのです。つまり、米国では、フィーベース型とコミッションベース型をかけ合わせた形で行われているのが実情です。
現在、IBDが約6万人、RIAが約7万人いる中、金融機関で勤めているFAは17万人弱おり、米国でも金融機関で従事している人が多い状況ではありますが、直近10年間でIBDやRIAに依頼するお客様が増えております。

日本でフィーベース型は浸透するには?

アメリカでは投資顧問業や助言業がスタンダードになっているためフィーが取りやすい状態になっているのですが、日本においては、投資助言業が広まっておらずお客様からフィーをいただきにくいのではないかと思われます。そのため、フィーベース型(投資助言業)を浸透させていくには、ファンドラップの活用などが、法的解釈も含めて、お客様からの理解も得やすく、日本で浸透するきっかけになるのではないかと思います。
上記に関してより詳しく話を聞いてみたい方や気になる点がありましたら、下記よりお気軽にお問い合わせくださいませ。