インタビュー

IFA業界随一のフレキシブルな組織を実現

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これまでの経歴お聞かせ下さい。

2007年に新卒で日興証券に入社以降、2018年4月末までのちょうど11年間、京都支店のFA課で勤務していました。
FA課は出来高制で転勤もない部署でして、「この環境なら、腰を据えて顧客と長いお付き合いができそうだし、成果を挙げるほど自分にも還元されてモチベーションを高く保てるな」と、就職活動時からの希望が叶った配属でした。

どのような経緯でIFAに転職されたのですか?

そもそも日興証券を退職した理由が、IFAになるためでした。 というのも、2013年に親会社が変わったのをきっかけに、会社の体制も大きく変わりまして、所属していたFA課も環境が大きく変わっていったのです。
ノルマ制への移行を筆頭とした体制の変化は、私たちFA課にとっては決して歓迎されたものではありませんでした。
その影響が、私たちのお客様との向き合い方にも及ぶようになって、お客様に対する申し訳ない気持ちが日に日に募っていき、そこで転職を決意しました。

IFAの存在を知ったのは、転職を考え始めて間もない頃のことでした。同じFA課の先輩方も転職を考えていた頃で、IFAの話をしたところ、みんな興味を示してくれました。
それならば、個々に別の会社へ転職するよりも、自分たちで会社を立ち上げてはどうかという展開になったのです。
そうして日興証券を退職しまして、金融庁から事業開始の認可が下りるまでの1年間、独立の準備を兼ねてCSアセット株式会社でプレイヤーとして経験を積みました。
無事に認可されて、2019年の7月に営業を開始しました。

独立準備中はどのように過ごされましたか?

金融庁から認可が下りるまで、一時的にCSアセット株式会社に在籍していたわけですが、そこでIFAのイロハを学びました。
CSアセット株式会社のIFA社員と同じように分け隔てなく向き合ってもらいましたし、営業面や事務面でのサポート体制も整っていて、とても仕事がしやすかったですね。
また、IFA事業を営むにあたって、経営陣の方々にもいろいろお聞きしたのですが、嫌な顔ひとつせずに何でも答えていただいたおかげで、事業開始後のイメージをつかむことができました。
非常に助かりましたし、本当にお世話になりました。

起業してみて感じる、一番大きな変化はなんですか?

特に提案内容に関して言えば、前職と比べていい意味で大きく変わりました。
組織のルールとかに縛られることがないので、お客様のニーズに合わせてやるべきことはやる、やらないほうがいいと思ったことはやらない、という選択が自由にできているので、前職とはまったく違いますね。転職前に描いていた理想の営業スタイルが、すでに実現できていると言っていいと思います。

同業他社と比べた、御社の特徴は何だと思いますか?

まず何よりも、IFAの社員がとにかく稼げるような体制を柔軟に整えているところではないでしょうか。
お客様への提案に集中できるように、時間の制約などは設けていないですし、出資を募るようなことも特にしていません。
事務手続きも、なるべく手短に手続きできるような工夫を会社としてはしています。その代わり、営業に関しては責任をもって自己完結できるようにということを徹底しています。

事務スタッフもいますが、IFA自身で自分の案件は完結させることを基本にしています。
出来高制だと波が少なからずあるので、売上が思わしくない時期はどうしても手数料を意識してしまいがちです。
そうなると、こちらとしてもお客様には後ろめたさを感じてしまうし、お客様も私たちに信頼を置くことは難しくなると思います。
そうならないためにも、IFAが最高のパフォーマンスを発揮できるための環境づくりは会社として惜しまないようにしたいです。

あとは、IFAの報酬とは別に、マネジメント手当のようなものを別途支給している点も、他社にはない特徴だと思っています。
弊社は本社を含めて5拠点あるのですが、支店長のような役職を置くことで、会社の運営に力を貸してもらっています。マネジメント手当は、支店長に限らず、
IFAの仕事以外のことに対しても頑張ってくれている社員への御礼といったところでしょうか。

ちなみに弊社に5拠点あるのは、社員の要望を受けてのことです。移動の時間などをできる限り短縮することで、営業に充てられる時間が増えればと思いまして。
社員が増えるにつれて、社員それぞれの要望に応えるのが難しくはなるのですが、なんとかできるところまではやりたいですね。
こういう体制を敷いていることもあってか、家庭と両立させている女性社員の割合も、同業他社と比べると非常に多い方だと思います。

今後のIFA業界の展望をどのようにお考えですか?

IFAという存在の認知度が高まり、IFA業界の存在感は強まってくると思います。
証券会社とIFAが切っても切れない関係にあって、証券業界からIFA業界に人材が流入していくという現在のメインストリームは基本的に変わらないと思います。
ただ、今後は他業種がIFA事業に参入してくることが増えてくるのではないかと考えています。
そうなると、私たちにとっては同業の競合が新規参入してくるよりも脅威になり得ると思います。
世間的に社名やブランド力が浸透していて集客能力がある企業には、正直こちらは敵いませんから。
他業種がIFAの存在を認知して興味をもっていること自体は、IFAの認知度や存在価値が着実に向上している証拠だと思うので喜ばしいことではあるのですが。
ただ、その風潮に乗じて、どこかの新規参入企業の傘下に入る可能性があるかと問われれば、弊社の場合はまず考えにくいですね。
親会社ができてしまうと、多かれ少なかれ弊社内の制度にも変化を求められるでしょうから、順調に進んでいる現状の体制を無理に変えるメリットが弊社にはないんです。

業界の展望を踏まえて、IFA業界全体に対する課題をどのようにお考えですか?

IFAに関する情報開示がほとんどなされていないので、もっとオープンにしたほうがいいですね。
特にIFA業界の大手である企業が、メディアへの露出を増やして、IFAの存在を広めてくれたら、業界にとってもプラスになると思うんですけれど。
弊社も今、同業11社ほどと協力してIFAに関する情報を提供するためのサイト運営に携わっています。
会社案内のようなイメージで転職者向けに作っていまして、プラスアルファで投資家様への参考にもなれば嬉しいですね。
今後も転職者や投資家様との接点を増やすべく、新しい施策も進めていけたらと思っています。

今後の御社のビジョンをお聞かせください。

まず大きな目標として、IFA業界の存在を世に広めて、証券会社の営業の人たちがキャリアアップを考える際の選択肢のひとつにIFAが加わるようにしたいと思っています。
そのためにはまず、弊社の会社の規模を大きくしていくことが不可欠ですから、IFAの社員数や預かり資産、支店数を増やして、業界内でのプレゼンスを高めていきたいですね。
目指すは業界首位です。 それが実現できれば、自ずと社内の制度を拡充するための余裕も生まれるわけで。たとえば教育制度なんかは、まさにそうだと思います。
設立間もない企業だと、教育の体制が整っている会社は少ないとは思うのですが、現時点では弊社も多分に漏れず難しいところがあります。
弊社の根本的なスタンスとして、IFAの社員が頑張って獲得した手数料はその人自身に還元したいと考えています。
ですので、優秀なIFAが獲得した手数料を会社に蓄えて、若手社員の教育等に充当するというのは、ちょっと考えられないですね。
ですから、会社として別に稼ぐ柱を作って、会社としてのお金を稼ぐことも、ゆくゆくは必要だと思っています。

弊社は設立して間もないですが、大手の証券会社出身者がほとんどを占めています。私を含めて年齢こそ比較的若い社員構成ですが、
それぞれが経験やスキルをもとに自分のスタイルを確立しているので、現時点では私が逐一アドバイスをする必要もないんですよね。
ただ、最近は経験が浅い中途入社者も増えてきたので、ある程度指針になるようなものは用意しようと検討しているところです。
開拓や集客も、基本的にはIFA各自に委ねていますが、将来的には会社としてコンスタントに集客できるように、新しいサービスの構想を練っていこうと思います。

経歴

株式会社YSKライフコンサルタンツ
代表取締役社長 山内雄一郎 様