目指すは真のお客様起点、アドバイザーを支える環境をつくる
ご経歴をお伺いしてもよろしいでしょうか?
新卒でみずほインベスターズ証券(現・みずほ証券)に入社して、2店舗の支店で7年半勤めました。
その後、従業員組合で組合の専従として2年間従事しました。
次に広報として対外広報・危機管理広報などを3年近く担当し、人事部にいきました。
そこで人事担当として、異動や評価等、人事面全般のサポートを3年間近くさせていただき、退職しました。
2021年1月から株式会社W&Pに入社しています。
IFAになろうと思った経緯を教えてください。
前職では約15年間勤め、キャリアを営業と本社に分けると、7年半ずつでちょうど半分です。
私は営業が好きなので、組合で組織を支える立場になる前までは、営業としてキャリアを積み支店長を目指したいと思う時期もありました。
その後、本社で組織をバックアップする立場が長くなって、改めて将来的な自分のキャリアを考えた時に「もう一度、お客さまに近いところでビジネスをしたい」と思いが強くなっていきました。その矢先に前職で知り合った土井からIFAの話を聞き「お客さまのためだけを考えて、仕事ができる」と声を掛けてもらったことがきっかけでIFAになろうと考えました。
IFAを認識して色々と調べていくうちに、転勤もなく長期的な視点でお客さまと並走ができ、ノルマなどもないこと、また、上司や会社組織ではなくお客さまだけを向いてビジネスができること等、まさに私が求めていた理想だと思いました。
土井とは考え方が一致していて、彼の働きぶりや思いを当時から知っていたので、一緒にビジネスをしたいという思いも強くあり、退職を決意したという経緯です。
前職では出世コースに乗られていたと思います。
IFAに転身するにあたり、葛藤や決意を固めたきっかけについて教えてください。
葛藤はありませんでした。安定志向はあまりなくて、成長産業に身を置いて業界の発展に貢献していきたいという思いが強くあったのです。なので、すごくワクワクしていて、早く移って盛り上げていきたいと思っていました。
証券会社という組織の課題のうち、IFAだから変えられる部分はあるのでしょうか?
自分が在籍する限られた期間内にいかに優れたパフォーマンスを出すかが自分の評価に繋がります。
なので、組織の目標達成や評価の為に、内向きのエネルギーに注ぐ時間はどうしても多く出てしまいます。
企業として、支店として利益を追求することは必要ですし、その上で評価を勝ち取るためには仕方がないビジネスモデルなのです。
お客さまに向く時間と内向きの営利に割く時間にどうしてもジレンマが出てしまいます。
証券会社時代、大義名分はお客さま起点としても、支店の業績をあげるためにどうするか、
日々の目標をどうするか等、短期的なジレンマを解消できていませんでした。
目標がある以上、どうしても短期的なPLに走らなくてはなりません。
本来、お客さまのニーズに沿ってご提案することが理想です。
ニーズのないところに無理やり提案するようなことはあってはならないと思います。
仮に目標が振られてきたときに、それをこなすためだけにセールスをすることは良くないですよね。
これらの課題を解決できるのがIFAという働き方だと思います。自分の評価や会社の施策ではなく、シンプルにお客さまのために並走していける良さがIFAにはあると思います。
多くのIFA企業がある中で、御社の一番の魅力は何でしょうか?
「全ての起点はお客さまにあって、会社が起点になっているわけではない」というのが基本的な考え方であり、IFAがお客さまのコンサルティング業務に最大限時間を捻出できるよう、その働き方も各IFAへ委ねております。
お客さまのためにそれぞれが自立したプロフェッショナル集団でありたいです。
セールスではなく、お客さまのためにプロのアドバイザーとして、良きパートナーとして仕事をしていくという思いからこの会社はつくられています。
これは、W&Pという会社が今後も存続していく上で、重要で根本的な考えとなっていると思います。
W&Pの文化と合うのは、どういった方でしょうか?
弊社は、いい意味での自由、自律をベースにしています。
ですので、全て自分でデザインできる人が多いです。そして、弊社のメンバーはお客さまのことが好きなんですよね。
お客さまと最後まで一緒に並走したいという考えを持って、入社してくれるメンバーが多いと思います。
少し抽象的な言い方にはなりますが、お客さまを大事にしているということです。
お客さまを心から大事だと考えている人、そして、自分でマネジメントできる人には、非常に向いていると思います。
現状はそういうメンバーばかりなので、コンプライアンスの面を除いて本当に全て任せています。
やはり、彼らが一番お客さまのことを知っていると思うので、信じて任せています。
今後もそういうメンバーを集っていきたいと考えています。
IFA業界の課題について、お考えをお聞かせください。
IFAは、いい意味で自由である反面、倫理観が個々に委ねられているのが現状です。
弊社はそういうメンバーはいないと自負していますが、自分の生活のためだけにビジネスをやろうとすると、短期的な収益を追い求めてしまいます。お客さまの利益と相反するサービスを提供しているという話を聞くこともあります。
これらの解決には、アドバイザー全体の質を上げていくことに尽きるかと思います。
理想的には、お客さまのために前を向いてやっている人たちが増えれば、より健全な業界の発展へ繋がるのではないかと思います。
そういう考えのIFAが増えていけば、日本の「貯蓄から投資」についても、真の意味で貢献することもできると思っています。
三枝様の今後の展望について、お聞かせください。
私の中では、IFAという業態がより発展していくサポートができればという思いが今は一番にあります。
規模は、証券会社の外務員数と比べるとまだまだ小さいですが、IFA認知度が上がれば、
お客さまの選択肢も増えると思いますので、それをまず一番に考えています。その上でW&Pというライセンスを使ってもらって、お客さまに提案していく方が増えたらいいなと考えています。
お客さま起点のアドバイザーが存在して、そのアドバイザーを支えるのがW&Pでありたいということが私の理想です。
他方で、経営としては「黒子に徹する」ことをモットーにしていきます。代表としての責任は当然、私が持つのですが、あくまでお客さまが起点です。お客さまを一番よく知るアドバイザーがいて、アドバイザーにとって良い環境を提供するのが私の役目だと思っています。
「ES(従業員満足)の向上なくしてCS(顧客満足)の向上はなし」と言いますが、働いているメンバーの満足度が高く、活き活きと働くことができれば、その活力はお客さまに伝わり、質の高いサービス提供に繋がっていくものだと思います。
IFAの満足度を上げることができれば、お客さまのサービス満足度の向上に繋がるという思いは、私の中でずっと変わりません。
それを追求していくことが、私に課せられている役目だと思っています。
優秀な営業マンは、どんな環境でも結果を残すと思います。
ただ、縛られず信頼されて自由にやらせてもらえる環境というのが一番伸びるのではないかと経験則からも思います。
繰り返しになりますが、IFAの良さは、良い意味での自由だと思っています。お客さまに向ける自由であったり、お客さまのニーズに基づいて自分たちで商品を組み立てられる自由があったりします。
その自由さを最大限良い方向へ活かしたいというのが根本的な思いとしてあります。
会社の今後のビジョンについて、教えてください。
IFAの認知度や規模は、まだ小さいと思います。リテール金融の強力な選択肢の1つには、まだなり得ていないということです。
IFAはリテール金融の理想だと思います。なので、認知度が高まっていけば、米国のように1つの形になっていくと思います。
その結果として、W&Pを選んでくれる方が増えればいいなと思っています。
経歴
株式会社W&P
代表取締役 三枝 浩紀様
2006年 みずほインベスターズ証券株式会社(現みずほ証券株式会社)入社。
新宿、兜町にて資産運用コンサルティング業務に従事。
その後、みずほ証券従業員組合専従経験を経て、
本社企画部門にて対外広報業務、人事部門にて人事企画・運用業務に従事。
2021年 株式会社W&Pに参画。