インタビュー

♦Special企画♦~女性IFA交流会レポート~

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自立した女性として生きる人にこそ、IFAという魅力的な選択肢を知ってもらいたい

まだまだ情報が限られているIFA業界。転職のきっかけや長期的なキャリア形成、出産育児との両立など、IFAへの転身を視野に入れる女性の方にとって疑問は尽きないことと思います。今回は女性IFAとして現場で活躍される4名と、ファシリテーターとして株式会社ウェルス・パートナー 広報・マーケティングの有泉氏をお招きし、IFA業界の女性活躍推進に向けて対談形式で語っていただきました。

「知る機会」があれば女性IFAはもっと増える

有泉:IFA業界における女性の活躍について、どのように感じていますか?

加藤:私はIFAになって3年経ちますが、女性IFAはまだまだ少ないなと常に感じています。
IFA企業内でも、バックオフィスで内管(内部管理責任者)などをされている女性の事例は聞くのですが、それこそ営業では同年代の女性が全くいないです。男女関係なく働ける業界であると思っているので、これから女性IFAを増やすような施策や発信などは積極的にしていきたいですね。

村木:私も証券会社で働いていた時は、支店に女性営業って結構人数がいて。前職ですとだいたい男女比が6対4くらいの割合だったという印象なんですけれども、証券会社とIFAを比較すると、感覚的にですがIFA業界の方が女性の割合が少ないのかなと思っています。私も周囲にあまり女性IFAの方がいないので、こういった機会をいただかないとどんな人がいるのかが分からないと感じています。

宮治:結構情報が閉鎖的ですよね。(IFA業界の女性の活躍について、)私も正直IFAになるまでそんなに情報源がなくて。だから、IFAになるまで女性が活躍しているというイメージはありませんでした。
実際にIFAとして働きはじめてから、SNSを通じて第一線にいる女性の方々のツイートを見たりして、すごい人がいるんだなと感じて。
そこから私も調べるようになって、実際は活躍されている方がいるんだと実感するようになりました。
今まで証券会社の中でも素晴らしい成果を残されている女性の方は多くいらっしゃったんですが、やはり会社のノルマがきつかったり、自分の意図しない営業をさせられたりとかなり締め付けられていて、本領を発揮できていない方はたくさんいらっしゃったんですね。
そういった方々にもう少しIFAの働き方に興味を持ってもらえたら、もっと女性IFAは増えていくのではないかと思っています。

植村:証券、銀行、保険問わず、他業種からIFAになる方はこれから少なからず増えると思うので、それに伴い女性で活躍される方も必然的に増えていくのではないかと思います。
私は会社で人材教育をしていたりする関係で、やはり企業側が導入としてしっかり教育機会を提供することでIFAとして一人立ちし、輝く人材になってくれると実感しているので、(男女問わずですが)企業側の努力も大事になってくるのではないかと考えています。

女性がIFAへ転職する理由、しない理由

有泉:皆さんIFAへの転職理由はどのようなものでしたか?

宮治:もともと出産後、証券会社で時短で働いていたんですが、完全に家と仕事のバランスが崩れてしまって。
そこで辞めようと思ったことがきっかけでした。最初は全く違う業界もいろいろ調べていたのですが、IFAに出会い、真剣に考えるようになって。どうせならブランクなく始められる方がいいと思い、まずはやってみようとIFAへの転職を決めました。

有泉:宮治さんはお子様が3人いらっしゃるんですよね。現在はどんな働き方をされているんですか?

宮治:朝子どもを送り出して、そこからパソコンを開いて。子どもが帰ってくる時間にはもう仕事が終わっているという感じですね。実働時間はすごく短いと思います。
3人子どもがいると学校行事も多いし、誰かが熱を出したり休むことも多いのですが、私は本当にのびのびやらせていただいています。
弊社に入社する際にもその点質問したんですが、子育てしながら働かれている女性は多いとのことだったので、自分でもできるのかなと思いやってみることに。
今はワークライフバランスが完璧だと感じています。

植村:私は富山県にいるのですが転勤意思がなく、やはりキャリアアップも目指せなくなってしまって。
そのなかでずっと会社のためにノルマをこなし続けるよりは、自分のいる地域のお客様を守りながらご資産を増やしていきたいという思いが強くなっていって。
それができる会社はないかと探したことがきっかけで、ちょうど富山に本社がある弊社と出会い、転職しました。良いところに巡り合えたと思っています。

有泉:思いありきの転職だったのですね。

植村:どうしても年収については、転職すると前職より下がることは前提として自分の中で受け入れていたのですが、ただ弊社もベンチャーなので結構頑張りを評価してもらえる体系にはなっていて、入社して1年で昇進という結果も得られているので、自分の頑張り次第と言える部分が大きいかもしれません。

有泉:IFAへの転職を選ばれた皆さんですが、逆にIFAが選ばれない理由はどんな部分にあると思われますか?

加藤:おそらくIFAに対する様々なイメージが、先行しているからではないかと、私は思っています。
というのも、IFAって個人の力量だけで、結果を出し続けていかなければいけないようなイメージがあると思います。なので、一歩踏み切ることがすごく難しいのではないでしょうか。
もちろん業務委託形態で1人でやっていく会社もありますが、実際はそうではない会社も多くあります。
サポート体制がしっかりしている会社や、チーム体制が整っている会社もあります。
ただ業界のことを知る機会もなかなかないというのが、現状だと思います。

私の場合は恵まれていて、証券会社3年目に自分の今後のキャリアについて考えていた時に、弊社代表の長谷川に出会ったことが大きく、偶然その出会いがあったから今があるのですが、おそらく普通に働いているだけでは、IFAのことを詳しく知る機会はそんなにないと思います。
SNSを見ると、個人で活躍されている方が、多く発信をされているため、そういったイメージがつきやすかったりすると思います。
やはり、業界のことを知る機会がないことが原因だと思います。

(周囲を見ていると、)証券会社の女性営業の方は、違う業界に行く人も多いですよね。
同じ金融業界内で、転職している人は少ないのではないでしょうか。
私の同期は、IT系に転職した方もいれば、ファッション系に転職した方もいたりして、本当に様々です。
私が新卒入社した際の同期が16人いて、うち女性が9人という状況だったんですが、本社など営業以外の舞台を希望している同期も多く、営業から本社に異動した事例もよくあります。

宮治:IFA自体、さきほど植村さんが仰っていた通り、自分次第じゃないですか。
でも、証券会社では今までノルマを課されてはいたものの、変な話やらなくても給料はもらえていたので、そこから出ていくということ。それからやはり長年働くと一般企業よりは多くもらえている方が多いので、それを捨ててまで一歩踏み出す勇気がなかなか難しいということもあるのかなと。
あとは証券会社で私の周囲の女性で多かったのは、ご結婚されている方で奥さんの方が家庭の大黒柱になっているケースが割とあって。IFAにも正社員形態があるという情報も知られていないと思うので、そこからいきなり飛び込んでいくことはかなり勇気がいることだと思うので、安定性を重視して他業界を選びがちなのかなと思います。

植村:私も皆さんと同意見になってしまいますね。
やはり知名度がどうしても低いことがあると思うんですよ。
これだけTwitterなどSNSで業界の方が発信したところで、おそらく関心がある方しか目を向けていない状態になってしまうので、もう少しIFAという職業の認知が広がっていけばすごく変わってくるんじゃないかと思いますね。

弊社では証券会社出身の正社員の営業は私が女性初だったところから現在在籍して3年9か月ほどになりますが、最近では採用にも力を入れていて、銀行や保険など証券以外からでもIFAになられる女性の方が増えてきています。

なかでも長く定着する人は、リファラル採用が多いですね。
やはり実際に働いている人の意見があるからこそ、信頼してきてくれる部分が大きいのかなと。
本当に特殊な例ですが、以前来店したお客さんを弊社の正社員に引っ張ったことがあって。
たまたまその人が地銀に勤めていて、結婚するタイミングで辞めると話していたんですが、いろいろ事情を聞くと仕事は続けたそうだったので、「うちの会社どうですか」と言ったら本当に来てくれることになったんです。
お客さんではなくなってしまったんですが、まぁ良かったかなと(笑)。

有泉:すごいですね。やはり紹介からの入社は多いですよね。

女性がIFAとして働くメリット

有泉:証券時代と比較して、女性がIFAとして働くメリットなどはございますか?

加藤:証券会社では、出産や育児に対する福利厚生がとてもしっかりしていると辞めてから改めて感じました。
一方IFAは、やはり転勤がないことが最大の強みだと思います。
宮治さんのように、ライフイベントをこなしながら、長期で考えたキャリアを形成しやすいと思うんですよね。
そういう意味では、IFAへの転職の障壁の話にもつながるのですが、IFAの企業側は、出産や育児に対する制度整備をしっかりとする必要があるのかなと思います。
弊社は理解がありますし、会社自体チーム制で動いているので、たとえば1人が長期の休みに入っても他のメンバーがカバーできるような体制があったりします。

有泉:宮治さんは証券会社時代に、たとえば働きながらお子さんを3人産むことってイメージされていましたか?

宮治:いえ、全然していなくて。
正直休職後は退職するか復帰するか悩んだんですよ。
ただ一旦は復帰してみようかなと思い復帰して。
会社の福利厚生を存分に利用させていただいてから転職させていただいて。

今の働き方は稼ぎというよりワークライフバランスがすごく良くなったので満足していて。
証券会社時代は子どもが熱を出したりした時、帰らせてはくれるけど目線は厳しいことなどもあったので、そのストレスがなくなったことだけでもすごく楽になりましたね。

植村:おそらく皆さん経験があると思うのですが、証券会社にいると月末にかけてノルマのためにどんどん厳しく言われるなかで、わざわざ遅い時間に面談組んだりとか電話とか猛攻撃をしなければいけない時期というのが絶対に来ると思うんです。

それがIFAになってからは全くなくて、お客様のペースで自分も歩んでいけるというところがもう明らかに違うんですよね。
スケジュールに余裕をもって動けたり、お休みを組みやすかったりする。
お客様にとっても、時期によって売りつけられる感がなくなるので、すごく信頼関係を築きやすくなっている。
相乗効果がある気がしますね。

村木:そうですね、皆さん仰った通りですね。
個人的には結構肉体的な負担が少なくなるなと感じていて、30歳を超えて営業職をやっていると男性との体力差を感じる部分もあって。
20代の頃はそれこそ自転車で70件とか回れたのに、それもきつくなって自分でも嫌になってしまったり。
肉体的なメリットが大きいので、30歳以上の方にIFAは特におすすめだなと私は思っています。

IFAだからこそ実現できる女性の理想がある

有泉:最後に、目指す理想のIFA像や女性像はありますか?

植村:自分が担当するお客様から一生頼られるくらい厚く信頼される営業マンになりたいと思っています。
特に今はオンライン面談が主流になってきたので、担当エリアは全国で北海道から沖縄まで幅広くお客様を持たせていただける。今まで仕事を休んだことはないですが今後出産など一時的にお休みしても、最終的には何歳になっても、またFanの植村に相談したいと言ってもらえるような人になりたいと毎日思っていますね。

1人の女性としては、仕事をバリバリこなしお金を稼いで積極的に経済を回すような人間を目指したい。
IFAならそれが叶うと思っているので、頑張って実現させます。

村木:IFAの良さはやはり生涯担当できることだと思っているので、そういったところを活かしてお客様の家族のことや将来のことも含め、よりコンサルティングに近い営業をしていきたいということ。
それから金融教育の面などでも貢献できる人材になりたいと思っています。

あとは、私が担当しているお客様に女性の経営者の方が多く、日々経営者としても女性としてもすごく尊敬できるロールモデルだと感じていて。
本当に素晴らしい経営者の方々なので、私もそういう風に思われる存在を目指したいですね。

宮治:私は現状のように家庭と仕事の両立をして、仕事もプライベートも充実させていきたいとうことと、いずれ子育ても少し落ち着いてくるとは思うので、そうなるともう少し活動範囲を広げたりして、各地にお客様を持ったり、幅広い年齢層のお客様から信頼されるIFAになっていきたいと思います。

もっと大きな理想としては、現在の自分からは逸脱してしまいますが、働かなくても自動的にお金が入ってくるような、お金に働いてもらうような仕組みがつくれたら嬉しいです。

加藤:お客様に1番近い立ち位置でありながら、私自身どんなライフイベントがあっても長期で伴走していけるようなIFAでいたいと思っています。
もっと近い目標で言うと、やはり女性のIFAが少ないなかで、業界的にも女性IFAの活躍にフォーカスしてほしいと思いますし、そのお手本になっていけるようになりたいと思っています。

自立してる女性ってかっこいいですが、毎日仕事だけに追われている状態ではなく、心も体もしっかり健康で、「自立した女性」であることを大切にしたいです。
それからIFAは、もちろん長期的に続けていきますが、何か新しいビジネスに関わる機会もあったら楽しいなと思っていて、いつか挑戦できればと思います。

有泉:ありがとうございました。