インタビュー

仕事と子育てを両立させるIFAの働き方

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2021年7月にお子さんがお産まれになり現在、IFA法人の経営者として仕事に加えて子育てにも奮闘されている株式会社ウェルス・パートナーの世古口代表にIFAにおける仕事と家事・育児の両立の実態についてお伺いしました。

世古口様の1日の流れを教えていただけますか?

日によって違いはありますが、だいたい毎日7時くらいに起床して、子どもにミルクや離乳食をあげたり遊んだりといったところから一日が始まります。保育園には入れていないので、午前中は子供の面倒を見つつ、お昼前の1時間ほどだけ仕事の時間に充て、午後も子供の昼食から始まり、14時くらいまでは散歩や遊び相手をし、子どもがお昼寝をしている15時から17時くらいまでの間で仕事をしています。また、夕方以降は、お風呂・夕食・寝かしつけなどの面倒を見て、家事も行っていると23時くらいになるので、その後2時間ほど仕事をして就寝するといった一日ですね。

中には外せない仕事がある日もあるので、その際は親やベビーシッターに頼んだりもしていますが、だいたい仕事に割ける時間は1日4時間~5時間、子供や家事にかける時間は12時間くらいがアベレージです。

【世古口様の一日の流れ】
7:00     起床
7:00-11:00  子供(ミルク、離乳食、遊び、絵本)
11:00-12:00 仕事
12:00-15:00 子供(ミルク、離乳食、遊び、散歩、寝かしつけ)
15:00-17:00 仕事
17:00-23:00 子供(ミルク、離乳食、遊び、お風呂、寝かしつけ、部屋片付け)
23:00-25:00 仕事

育児・家事に参加すると考えられた理由やきっかけは何だったのですか?

主に2つあります。
1つ目は、双子なので妻だけのワンオペ育児は大変すぎると思ったからです。子供が家にきて実際に面倒を見てみて、これは任せすぎちゃうと妻が病んでしまうなと感じました。
2つ目は、コロナのリスクですね。保育園に預ける話もあったのですが、子どもが生まれつき肺が弱くコロナに罹って重症化するリスクもあったので保育園には預けられないなと。 そう考えると自分が子供の面倒を見る時間を増やすのが必須でした。子供は好きですが上記の理由がなければ今の半分くらいしか子供への時間は割いていなかったかなと思います。

男性が育児・家事に参加することに対してご家族の反応はありましたか?

特に反応はなかったですね。夫婦で子育てをするのが当たり前というのがお互いにあるのだと思います。
また私自身は男性も進んで育児に参加するべきだと思っていて、特に「育休期間が終わったら男の育児は終わり」みたいな雰囲気がちょっとありますけど、それは違うと考えています。人生の中で育休は一瞬で、働きながら子供を育てる期間の方が圧倒的に長いですから、子育てと仕事の両立を継続できる方法を考える必要があると思っています。

ご家族の中で決められているルールや心掛けていることなどはありますか?

厳格なルールはないですが、どうしても外出しないといけないときはシッターや親など私以外のサポートを用意した上で、妻の承認を経て(笑)、外出するようにしています。
また、これもルールではないのですが、感謝の言葉は伝えることを常に意識しています。

仕事と家庭を両立するうえでIFAとして働くメリットは何だと思いますか?

お客様を選べるところがIFAのメリットだと思います。
ほとんどの業界は、どれだけ頑張っても1人の顧客だけで1人の営業の売上が完結するというのは、あり得ないと思います。しかし、IFAの場合は100億円持っているお客様が全て運用してくれたら、そのお客様の運用だけで1人の営業の業務や売上が完結する可能性があります。 つまり、富裕層をお客様にすることができれば、レバレッジが効いて、時間単位の仕事の効率がめちゃくちゃ上がるので、育児をやりながら仕事をすることも可能な職種がIFAのメリットだと思います。 もちろん富裕層ほど営業難易度が高く、IFAのレベルの高さも求められますが、それは死ぬほど努力して高めればいいだけの話かと。

お客様を選べるほど開拓ができていないというIFAもいるかと思いますが?

私の印象だと、証券会社で働いていたときのやり方を変えれていない人が多い印象です。証券会社でやっていたお客様の少額の資産を回転売買や仕組債などで高回転して荒稼ぎする、それをそのままIFAに持ち込んでやっているんですね。けれどそれって頭打ちになりますよね。
IFAを求めるお客様はだいたい証券会社のやり方が嫌になってIFAを選んでるんですよ。それを証券会社と同じことをやっていたら当然、愛想を尽かされますよね。IFAなんだからもっとIFAらしいというか、証券会社がやっていない提案とか営業をやらないと意味がないと思います。

お仕事される上でお子さんがいてポジティブに働いた面はありますか?

相続対策の提案に深みが出たと思います。相続対策は愛する家族のために行うものなので、子供がいないと本当の意味で課題や悩みを共有できないことがあります。子供ができたおかげで感情が乗った提案ができるようになったと思います。

仕事と家庭の両立に向けたウェルスパートナー社としてのお考えや具体的な制度などはありますか?

会社の福利厚生やルールではなく、業務効率化や顧客との関係性の方が大事だと私は考えています。仕事と子育てを両立するために、いかに仕事を効率化して少ない時間で高い結果を出せるように工夫するか。お客様と本当に信頼関係があれば、訪問や面談に時間を割けなくても信頼関係が切れることはないと思います。集客もSNSをしっかり活用できれば、子供を抱っこしながらでも新しいお客様を見つけられますよね。当社ではその工夫を各自ができるようになるためにコンサルタントを会社に招いてSNSの最適化をしてもらったり、各アドバイザーにオンラインセミナーを開催してもらっています。

未来のパパママIFAの方へのメッセージをお願いします!

大きく2つ。
1つ目は「やるしかない」という覚悟を持つことです。気合と戦略があれば何でもできると思うので、妥協せずに取り組むことが大事だと思います。その時に固定概念に縛られないことも大事です。IFAは出張しないといけないと思い込んでいるけど、お客様は意外と電話やオンラインミーティングでもいいと思うこともあるでしょう。効率化できるポイントはないか常にアンテナを張ることが重要です。
2つ目、準備することです。予定日が分かってから出産まで少なくても8ヶ月くらいは準備期間があるわけです。その間に赤ちゃんのお世話で訪問できなくても成果が出せる仕組みやお客様との強固な信頼関係を築いておくことが大事だと思います。

経歴

株式会社ウェルス・パートナー 
代表取締役 世古口 俊介様
   
日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱モルガンスタンレー証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。顧客を担当するプライベートバンカーとして超富裕層の資産運用コンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し代表に就任、IFA事業を開始。多数の書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者5500名超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。