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インタビュー

日本を真の金融先進国に 今こそ企業型確定拠出年金を選ぶべき理由

INDEX目次

まず、企業型確定拠出年金の概要を教えてください。

企業型確定拠出年金(以下、「企業型DC」とする)とは、税制的に優遇を受けながら老後の資産形成ができる「確定拠出年金」のなかでも、企業が毎月積み立てする掛金を、従業員自ら運用していく制度です。個人が主体となって加入する個人型(iDeCo)と違い、企業型は福利厚生としての機能を果たします。

現在、加入者数は右肩上がりで約750万人、個人型と合わせると1,000万人を超えると言われ、日本の労働人口の6、7人に1人が確定拠出年金制度を活用している状況です。

一般的に企業型DC導入のメリットは大きく2つあり、経営者自身の資産形成に最適であることと、福利厚生が充実することで人材の維持・確保につながることが挙げられます。従業員は口座管理料を会社に負担してもらいながら投資教育を受ける機会を得られたり、企業も退職金制度としての活用が可能であったりと、まさにこれからの時代に最適な福利厚生と言えるでしょう。

今、企業型DCが注目されている背景はなんでしょうか?

一言で言えば、時代の流れであるということが大きいと思っています。「老後2,000万円問題」や「人生100年時代」といった言葉が話題になっているように、人がより長生きするようになって老後が長期化していることが1つ。そこに対して公的年金が当てにならないという不安が広がるなか、自助努力による資産形成の重要性がますます高まっています。税制的なメリットを考えても企業型DCは1番優遇されており、やはり第一に使った方がいいと我々は考えています。

企業型DCを導入する企業が増えることにより、金融リテラシーに変化はあるでしょうか?

やはりお金への関心が高まったり、資産運用をする人は増えると考えられます。しかし、私は悲観的に見てもいて、全員が全員そうなるわけではないと思っています。要は「2:6:2の法則」と言われるように、上位2割はもともと情報感度が高く、企業型DCに入る前からiDeCoなどの資産運用をしています。この人たちは我々や国が何もしなくても学んでいきますし、導入されたら喜んで企業型DCを活用します。

他方、下位2割はおそらく企業型DCが導入されても何もしないでしょう。そのため、中間6割のうち上位3割、つまり今まで少し関心はあったけれどまだ行動していなかった人は、企業型DCの導入を機に資産運用をやるようになる。この層をいかに金融教育していくかが大切になると思っています。いずれにせよ全員の金融教育を考えるなら、広く届く企業型DCの仕組みが最適です。

企業型DCの導入と親和性がある企業の特徴はありますか?

やはり「良い会社」ですね。「良い会社」とはそもそも業績が良く、社内の風土がいい会社です。社員さんが楽しそうであったり、福利厚生が整っているホワイト企業ということになります。企業型DCはそのような会社に非常に受け入れられやすい制度ですし、むしろなぜやらないのだろうかと思います。多くの場合、情報が行き届いていないだけなので、そういった企業は情報さえ届けばすぐに導入することも多いです。

一方で、なかには導入してもあまり加入者が増えない、投資が浸透しないというケースもありますね。そこは経営者の方の伝え方や、我々の力不足などに原因があると思います。うまくいく企業では、たとえば今まで資産運用について一切話せなかった社員が、投資信託について口にしているなど、たしかにお金についての意識が高まっていると実感しています。

特に企業型DCを取り扱うべきIFAとは、どんなタイプでしょうか?

もともと法人顧客を持っている方や、これから持っていきたい方には使ってほしいですね。昔ながらの証券営業というより、コンサルティング営業を重視している方も扱えた方がいいと思いますし、あとは既存のビジネスから脱却したい方ですね。私自身、IFA時代に企業型DCに着目したきっかけはそうでした。

ブローカレッジではかなり稼ぐことができたとしても、日々株の売買や相場の上がり下がりに左右されますし、お客様にも怒られ離脱されたら新しいお客様を補充する。これを60歳まで続けるとしたら、きついなと感じたことが最初にあった発想です。私の場合、まずIFAとしては、世界株の長期投資や積立投資などに切り替えていき、その延長線上でストック型のビジネスはないかと探していた時に、企業型DCと出会いました。始めてみれば社会的意義にも目覚め、本当に時代に求められていると感じられるので面白いなと。かつ、この分野を誰もやってないことにも気づき、それなら自分で旗を立てようと思ったことが今に至るきっかけです。

最初はある程度余裕がないと社会にベクトルを向けるのは難しいとも思いますので、まずはきちんと稼いだ方がいいと思います。ただし、稼ぐことが大事といっても、手数料はこちらの方が儲かるからと価値がないものを口八丁手八丁で売りはじめると悪になってしまいます。だからこそ、そうしなくていい商材を準備しなければいけない。そういった意味でも、IFAの方にとっての企業型DCは、堂々と薦め、堂々と買ってもらえる商材の一つだと思うんですよね。

今の仕事は本当にやりがいがあるのか、このままブローカーでやっていくのか。そういった面で辟易としていて、もっと社会に意義あることがしたいという人は歓迎ですね。

Financial DC Japanの特色はどこにありますか?

メインビジネスとして企業型DCに特化している点が、他社に比べ最も特徴的です。そもそも企業型DCはメインビジネスにしづらく、M&Aや保険、証券であれば別ですが、単発で案件が決まったとしてもそれ自体ではあまり美味しくないですよね。本当に志を持ってこれを広めたい、金融を良くしたいと思ってやらないと難しい側面があります。そういう意味では、参入障壁が高い方だと思っています。

一方で、メインビジネスにつなげるために企業型DCを扱うことは良いと思いますし、我々はそのようなパートナーを増やしています。ただし、自社でやろうとするとそれなりに管理コストがかかり、人手も必要で大変です。そこで面倒なところは全て当社に投げてもらい、本業に集中してもらう方が効率的になるのです。たとえば、導入までの事務手続きのサポートであったり、企業型DCの特徴を把握するための勉強の手間を省略できたり、導入後のフォローを代わりに当社が担うというスタンスです。

最近では保険、IFA、税理士、社労士といった立場で、企業型DCをサイドビジネスとして扱おうとする人が増えてきています。我々としては企業型DCを啓蒙しつつ、ぜひ一緒にやりましょうとお伝えしたいです。

Financial DC Japanのパートナーについて教えてください。

IFAや保険代理店、生保・損保、士業、金融機関との提携を進めています。個人的に1番注力しているのは損保代理店です。今度入社する損保出身の社員いわく、今後は自動車事故が起こりづらくなる世の中であるがゆえに、損保はニーズが減ってくる業種なんだそうです。また、生保やIFA、保険代理店の方は狩猟型が多いのですが、損保の方は積み上げ型が多く、考え方や文化としての親和性が高いです。当社としては、しばらく1年ほどは重点的に資源を投下しながら、他のチャネルについても拡充していこうとしています。

当社のパートナーについては2種類あり、全て当社に丸投げしてもらうパターンと、提携パートナーとしてストック収入を得るパターンです。後者であれば、説明会や導入処理を受け入れるなどの営業活動をしてもらう必要があります。自分でもある程度学んで、ある程度関わりながらやりたい、ストック収入がほしいと考えるIFAや保険会社の提携パートナーは多いですね。

パートナーを増やすことは導入を広める活動であり、同時に採用活動でもあると思っていて、100名集まればそのうち1名2名は企業型DCに目覚め、かつ当社の想いに共感してくれる方が出てくると考えています。実際、パートナーの中から当社で働きたいと思ってくださる方も出てきていて、導入実績を多く残すとともに理念に共感していただいています。

Financial DC Japanが目指す社会について教えてください。

当社の事業理念・目的としては、この良質なサービスを日本全国に広め、日本を金融先進国にすることです。そういう意味では当社で活動してもらっても、当社から独立して活動してもらっても同じだと考えており、このビジネスに携わる人は皆さん競合ではなく仲間だととらえています。

実際、技術を隠すことは一切せず、むしろ本を出版したりとノウハウも全て公開しています。本当にこの制度を広めて日本を良くしたいと、本を執筆する過程で思いをより深めた部分もありますね。この理念でやっている限りは、おそらく自社ファーストの方針の企業には負けないと思っています。

目標は、中退共制度を導入しているホワイト企業40万社のうち5000社に企業型DCを導入することです。当社はリーディングカンパニーとして10年で5000社を目指し、広い湖に一石を投じて、波紋を生んでいければと思います。

5000社の次は、大企業と提携しながら10万社を目指していくつもりです。40万社のうちの10万社、つまり優良企業のうち25%は企業型DCを導入している状態になれば、結構時代が変わるんじゃないかなと思っています。

2022年4月の書籍出版*に込められた思いについて教えてください。

*『頭のいい会社はなぜ、企業型確定拠出年金をはじめているのか』青春出版社

本を通じて我々が啓蒙していくことによって、お客様からニーズがあったら対応しようという意識から、いい企業にはぶつけてみようかなという意識になってほしいですね。1つのアンテナにしてもらえたら嬉しいです。

IFAで企業型DCをすぐ扱おうと考える人は、正直少ないです。やはり結局これぐらいの収益かとなる人がほとんどです。株の売買や投資信託で十分稼げるのであれば、新しいことをやろうとはなりにくい。ラインナップの1つには加えるものの、そこまで重点商品にはならないという位置づけになることがほとんどです。

しかし、結局ボトルネックになっているのは短期思考だと思います。短期の売上はいくら上がるのか、どれだけ簡単かというところではなく、長期でお客様のために信頼を積み上げたり、ストックを積み上げる発想が大事だと考えており、そのためにも企業型DCを選択してほしいと思います。

経歴

株式会社Financial DC Japan 
代表取締役社長 岩崎 陽介様

兵庫県西宮市出身。一橋大学商学部卒業。
野村證券株式会社にて総額100億円の資産運用アドバイス業務を経験。
トップ0.2%だけがもらえる社長賞をはじめとして、数々の賞を獲得。
入社以来同年代トップ1%の成績を維持し続け、海外留学生に選ばれ留学。帰国後、IFAとして独立。
その後、確定拠出年金に特化した株式会社Financial DC Japanを創業。
企業型確定拠出年金導入実績で全国1位を達成。
1級DCプランナー。