インタビュー記事

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最高の提案に懸ける想い


株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介氏

世古口 俊介氏

Q:数々のPBを渡り歩いた後、起業に至った理由は何ですか?

私の人生の最終の目標は、お客様の資産に纏わる提案の中で『最高の提案』をすることです。結論から言うとクレディ・スイスも最高の提案ができる環境とは言えませんでした。
金融商品も充実しておりますし、機能面も優れているので幅広い提案を行うことができます。しかし、PBの立場では不動産を代表とした実物資産に全く触れることができません。
富裕層の方の資産の半分以上は実物資産です。その半分以上に触れることができないのは最高の提案をする上で大きな壁でした。
僕が勝手に不動産を提案することは可能ですが、PBは金融機関ですから、会社としては提案できませんよね。不動産会社が不動産を販売すると同じように金融機関は金融商品を販売しないといけません。
上場企業である以上、収益を追い続けることは仕方がないことだと思いますが、日系証券会社、米系PB、スイス系のPBを経験した上で、PBで私が考える最高の提案を行っていくことは難しいと考え弊社を創業しました。

Q:実際IFAとして活躍される中で感じるメリットは何ですか?

一番は提案の幅が広がったことですかね。IFAという立場になることで、実物資産を含めたお客様の資産全般に対し運用のお手伝いが可能になりました。IFA業態の事業者で金融商品しか扱っていないIFA事業者は、IFAの本質的メリットを提供できていないとさえ思っています(機能面でいうと、PBの方が優れているため)。
例えばIFAには債券を担保に融資を引っ張る、ローン機能などはありません。お客様がローン機能を利用する必要があればPBのバンカーや証券会社を活用すればいいだけなので、お客様に提案するに際して不都合はありません。
会社に縛られることなく個人と自由に連携ができるのも、IFAならではだと思います。
総じて、IFAには圧倒的な自由度があります。自由に発言できたり、こういった形で気軽にインタビューを受けられるのもIFAならではの特徴です。従来の金融機関よりも、働く人の個性を出しやすい環境であると感じています。

Q:IFA業界もこれから他社との差別化を明確にしていく必要があるかと存じますが、いかがお考えでしょうか?

会社としての差別化ももちろん必要ですが、個人個人の差別化というものが特に重要だと思います。会社として力を入れているのはSNSの運用。営業のノルマっていうものは設けていませんが、SNSでの情報発信や情報収集にノルマを設けています。
お客様も自身で情報を集め・選ぶのが当たり前の時代になった今、それぞれのIFAがどういった人柄なのか、スキルを持っているのか、積極的に情報を発信していかないといけないと思います。
メディアもフル活用していて、各社と提携してオンラインセミナーなどを実施して、集客は会社で行っています。

Q:IFA企業様の中には「バック率」で働く人にとっての差別化を図るという方法もあるとお見受けしておりますが、御社は如何でしょうか?

そうですね。バック率で言うと当社は圧倒的に低いと思います。それ以上に当社にいる価値があると思っている人が集まっています。
何度も言いますが最高の提案をすることが僕の人生の目標です。そのためには相当な知識が必要。不動産のことや相続のことなど、証券会社じゃ学べないことはたくさんありますが、当社は学べる環境が整っています。なんたって、最高の提案をするために人生をかけている僕がいますからね(笑)。

Q:学べる環境というと、勉強会の実施などですか?

本当の意味でお客様に高い価値を提供しうる知識を身につけるためには、よくある勉強会では意味がないと思っています。それよりも実際にお客様の相談を受けること、アウトプットすることが重要だと考えていますので、訪問時に僕の提案スタイルを学んでもらうために面談には毎回2名は同行させています。営業力(=売る力)ではなくて提案力を上げて欲しいし、そのためのサポートを重点的に行っています。

Q:日本の金融業界の現状についてどうお考えですか?

まずはっきり言いますけど、僕は「回転売買」「仕組債」は社会悪だと思っています。上場会社で株主がいる以上、収益を追い続けないといけないことは仕方がないことですが、これらの商品は大手証券会社が業績を維持するために残している商品だと私は思っています(2020年9月金融庁は回転売買の規制の方針を打ち出している)。

Q:投信の手数料も海外に比べ日本は高いですよね。

現状、日本の投資信託の年間の信託報酬は1%~2%程度です。グローバルスタンダードである0.1%〜0.2%に適正化されていくとすると、収益は1/10になるので、金融人口も必然的に大きく減ると思っています。
じゃあ、どうしたら良いのかというと、投資の総量を増やすことが重要になります。投資の総量を2倍にすることができれば、金融人口減は1/5に抑えられます。日本は1800兆の内、半分が預金なので十分ポテンシャルがあると思います。1%伸びるだけで9兆円ですから凄いポテンシャルですよ。だから、投資(預かり資産)を増やすことを考えることが大事だと思います。回転売買をしている暇なんてないんですよね。

Q:大手証券会社も同じ考えなんでしょうか?

大手の証券会社も考えてると思いますが、体質を変えていくことは難しいと思います。証券会社にお勤めの方は仕組債・新規募集の投信・公募株式などの売り出し等々、日々収益を追えとノルマを課せられる中、預かり資産の純増だけを考えるということはできません。役員も株主がいる手前、一時的に業績が下がる改革に踏み出そうとはしません。

Q:そうなるとIFAであれば業界を変えていける立場にありますね。今後IFAに求められることはなんでしょうか?

IFAの会社はもっとキャッシュポイントを増やした方がいいと思います。当社の売上の4割は非金融事業から発生しています。多くのIFAはキャッシュポイントが金融商品の販売手数料だけですが、点で取るのではなく面で取らないと今後は厳しいと思います。そのためには知識がいるから、誰にでもできるわけではないと思います。金融の知識だけではなく、不動産、税制の知識も必要になってきます。
日々勉強、日々精進です。僕なんかはお客様の利益と自分の利益9:1くらいの比率でお客様のことを考えています。

Q:なぜそこまでお客様のためを追及できるんですか?

ここ2、3年で考えが固まってきました。独立してお客様のことだけを考えればいい環境に身を置き、且つ自身に余裕がある状態なので。

Q:余裕というと?

自分自身相当勉強して投資をしてうまくいっています。不動産投資の知識はIFAの中じゃ誰にも負ける気がしませんね。自身で投資をやっていないIFAが多すぎると思います。それでよく人に薦められるなと思います(笑)。

Q:世古口様ご自身は最終的にどこを目指しますか?

そうですね。最終的には自分と顧客の比率を0:10にするために出家でもしますよ(笑)。

経歴

株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。
その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイス銀行(クレディ・スイス証券)のプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。2017年8月に内藤忍氏と共同で資産デザインソリューションズを設立し、代表に就任。