インタビュー記事

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「サービス業としての金融業界」の確立とその先


ペレグリン・ウェルス・サービシズ株式会社
代表取締役 山口 聰氏

インタビュー

「お客様に心から喜んでいただける金融サービス」とは?

原点は、学生時代、京都有数の高級ホテルのスタッフとして働いていた頃のことです。 来店されるお客様へのきめ細やかなサービスや、ホスピタリティ精神の習得。そして、「お客様に最高のサービスを提供し、喜んでいただける」経験をしました。
良いサービス受けたお客様が心から満足し、「また来るね」といって再度来店していただける。それに対し、「恩を返す」形で更に良いサービスを提供する。こうしたサービス業の神髄に甚く感銘を受けました。
こういった経緯から、就職活動時にも「自分の提案によって、お客様に喜んでいただける」ことに携われるような就職先を探しておりました。
さらに、当時ウォール街が盛り上がりを見せていたことから金融機関を志望するようになり、2つの要素のどちらをも満たすことができる、大和証券への入社を決めました。
以降、旧アリコジャパン、バークレイズ銀行、クレディ・スイスと計4社にて資産運用サポート業に携わる中で、自身の考える「お客様に喜んでいただける金融サービス」の大枠が形成されていったように思います。

2社目の旧アリコジャパンでは、フロントではなくバックスタッフとして、「スペシャリスト」だからこそ提供できる「付加価値」の魅力に気づかされました。
税理士を交えたサポートチームに所属し、彼らが専門家として提供するサービスの付加価値の高さに感銘を受けたのです。自身も並みのバンカーでは提供できないような付加価値の高いサービスを提供し、お客様により満足していただきたい、と考えるようになりました。それを実現するために、証券アナリストの資格を全て取得。結果、ファンドマネジャー目線でお客様にご提案ができる付加価値を身に付け、プライベートバンカーとしてのキャリアアップを決意しました。

3・4社目の外資系プライベートバンクでもそれぞれ重大なミッションを任せていただける中で、外資系独特の風土にも触れることができました。お客様との折衝においては、日本の企業とは異なり「お客様と担当者との信頼関係が最重視される」文化の中で、一挙一動を「お客様のためにとって最も良い方法か?」と考えさせられたのです。お客様本位の金融サービスのあり方を学べた経験が、現在の弊社の企業理念と行動理念に繋がっています。

しかし同時に、会社に属する人間としてできることに限界を感じていたのも事実でした。
会社都合で販売しなければならない商品の提案や、ノルマの達成などに追われ、いつの間にか元来自分が考えていたような「お客様本位のサービス提供」ができなくなっていると感じておりました。
また、今まで富裕層をターゲットにサービスを提供してきていたものの、サービスを必要としているのは富裕層だけではない、と考え始めておりました。富裕層に提供するサービスをより幅広い層に展開し、より多くのお客様との信頼関係を築いていけないだろうか。
お客様が期待する新しい金融サービスのスタンダードを創っていけないだろうか、そう思うようになりました。

そして2017年夏、これまでお世話になったお客様へ恩返しをする時期が来たと感じ、クレディ・スイスを退社して弊社を創業しました。

お客様に最も喜んでいただくためには?3つの取り組み

会社員時代の経験を元に考えた、「お客様に喜んでいただける金融サービス」のあり方。
それを実現していくには言葉だけではなく試行錯誤を伴う具体的なアクションが必要であり、特に次の3つは他社にはない「付加価値」だと考えております。

1.お客様目線で簡単に真似できる資産運用法を情報公開
弊社では、これから資産運用を始めようと考えている現役世代や初心者の方でも簡単に真似ができるように、見本となるモデルポートフォリオの運用を弊社の自己資金を投じて行っており、購入した金融商品や投資配分の構成など、運用内容と運用状況を一般公開しております。

自社で実際にポートフォリオを運用管理してみることで、「商品を売るため」ではなく、「本当に資産運用に必要な商品を選択する」という目線で考えることができ、本当の意味でお客様と同じ目線に立つことが可能になるのです。そして、お客様と相場が良い時も厳しい時も運用状況を共有しながら資産運用のサポートを行うという、新しいスタイルが完成したのです。こうした取り組みが、お客様からの信頼に繋がっていると感じております。

また、このモデルポートフォリオは、キャッシュとインデックスファンドを中心とした資産配分とし、コストとリスク管理に重点を置いたシンプルな運用方針を採っています。そして短期的な目線ではなく、世界経済の動きに応じて長期的な目線でアセットのリバランスを行うスローな運用を行っております。

このモデルポートフォリオはメールマガジンとして配信しており、登録いただけますと誰でも受信することができるので、幅広いお客様の資産運用の間口を広げることにも繋がっているのです。

2.独自の心理分析ツールに基づいたポートフォリオ提案
これはバークレイズ銀行時代の手法が元となっているのですが、資産運用におけるお客様の性格を把握する独自の心理分析ツールを開発し、その結果をポートフォリオの提案内容やその後のサポートに活かしております。

運用コストやリスクに対するストレスの感じ方、投資判断の傾向など、心理的傾向は人それぞれ。単純に年齢や金融資産額などからリスク許容度を提案するのではなく、一人ひとり異なる性格を可視化し、心理的負担を考慮した提案が可能になりました。
他社には無いユニークかつお客様のことをより深く把握するツールとして、お客様の意向をヒアリングする段階で活用しております。

例えば、価格変動や不確実な状況にストレスを感じやすい方であれば、本来の提案からさらに一段階株式の組入れ予定比率を下げてインカムゲイン重視の代替案を加えるなど、お客様にとってより心理的ストレスがかかりづらいポートフォリオの提案をする、といった形です。

こちらは資産運用アドバイスの付帯サービスとして無料で提供させていただいており、他社にはない「付加価値」だと自負しております。

3.米国式Feeモデルとオーダーメイド型のポートフォリオサポートサービス
弊社ではお客様のニーズやご意向に合わせて、オーダーメイド型で資産運用アドバイスを行っております。
その中でも、近年増えつつある「低コストで長期的に運用したく、アドバイザーの意見が欲しい」というニーズに対して活用しているのが、楽天証券の管理口座コースです。

これは売買手数料ではなく預かり資産に対して口座管理手数料を頂く取引形態で、現状日本では唯一楽天証券のIFAコースを通してのみ選択が可能です。

口座管理料型の商品といえば、大手証券会社にもあるものの(ファンドラップなど)、コストが高い上に、投資商品の内容が見えにくく、銘柄入れ替えの指示ができないなど、お客様の意向を反映した資産運用がしづらいことがネックです。

その点、楽天証券の管理口座コースを使った弊社のポートフォリオサポートサービス、愛称「Escort」では、主導権がお客様にあるので、商品の選択や入れ替えが自由にでき、大きな市場の動きにも柔軟に対応することができます。コストも定率で透明化されているため長期的な資産運用に適しております。

このように、弊社では前述のモデルポートフォリオをベースに心理分析を加味したオーダーメイドなポートフォリオの構築とその後のフォローを一体化させたサービスを、他社には無い金融サービスの選択肢として提案させていただいております。

「サービス業としての金融業界」の確立とその先

資産運用が必要だと感じ、自分でネット上の情報を収集したはいいものの、購入ボタンを押す時にどうしても不安になり、踏み切れない。
こういったお客様がわたしたちにご相談くださるケースが非常に増えております。

実際、世の中にたくさんあり過ぎる金融商品はそもそも「売ること」を目的とした運用商品が多いため、本当に自分の資産運用に必要かどうかの判断が難しく、また資産運用に関わる情報も一人一人のお客様の状況を考慮したものではないため、それほど経験がなければ氾濫する情報を取捨選択することは困難だと感じております。

そういった方々にも資産運用アドバイスを低コストで提供するために浸透させたいと考えているのが、海外では主流のフィーモデルです。
先に述べました、楽天証券が導入した「管理口座コース」がそれに当たるのですが、日本においてはアドバイスフィーに対する抵抗感があり、手数料などの無料化の動きも進んでいるため、フィーモデルの普及にはまだ時間がかかるという見方がなされています。
しかし、より多くの方に活用いただける資産運用のサービスを提供し、お客様一人ひとりが納得感を持ちつつ「不安になったら低コストで気軽にアドバイザーに相談ができる」環境を作っていきたいと考えており、そのためにはフィーモデルの浸透は欠かせません。

会社員時代は、会社の都合を踏まえた上でお客様と接する必要があり、会社への最大限貢献と、お客様への最良のサービスの提供の間でジレンマを抱えながら働いてきました。
しかし、お客様からの後押しもあって幸いにも起業することができた今、「セールス業」から脱却し、お客様が安心して資産運用に取り組めるよう新しい金融サービスのスタンダードを確立し、「サービス業」としての金融機関を創り上げることがお客様への恩返しになると同時に、私の使命だと感じております。

お客様の満足度を最大限にすることができた企業・人が選ばれる時代において、お客様から選ばれる金融機関でありたい。
その実現のために、弊社はこれまでの常識にとらわれない発想で次々とお客様のために何ができるかの答えを求めて、試行錯誤の挑戦を続けていきます。

経歴

ペレグリン・ウェルス・サービシズ株式会社
代表取締役 山口 聰
1978年、大阪府出身。同志社大学法学部卒。
大学卒業後、大和証券にてリテール営業、人事部付きインストラクターを経験。
その後アメリカン・ライフ・インシュアランスカンパニーにて営業教育本部、英銀バークレイズの富裕層向けサービス部門、スイス金融大手クレディ・スイスのプライベートバンキング本部を経て2017年ペレグリン・ウェルス・サービシズ株式会社設立。